スリッパ委員会 御用達

COMIC
トニーたけざきのガンダム漫画/トニーたけざき
角川コミックス・エース ISBN4-0471-3610-7

その昔、まだ結婚する前の相方さんと二人、とある映画館にてアメリカの「親指スターウォーズ」とかいう、スターウォーズの内容を全て親指に顔とか描いて演じさせるというパロディ映画を見に行ったことがある。正直に告白するが、私も相方さんもスターウォーズ自体にはこれっぽっちも興味がなく、旧作はもちろん、エピソードどうのこうのといった最新作も含めて一切合切見たことがないのだったが、それでもまあ、そのバカ設定くらいは楽しめるだろうと思っていた。がしかし、実際には始まって数分で二人して居眠りをするほどにつまらなかったのだった。終わった後、相方さんと二人「この映画がいかにつまらなかったか」について語りあってかなりの盛り上がりを見せた覚えがあり、その盛り上がりが結婚のきっかけになったと言うのは言い過ぎであるが、まあそれぐらいにつまらない映画だったことは確かである。もちろん、元ネタを知っていれば多少は楽しめたのかもしれないが、私たちがスターウォーズについて全くの無知だったことが拍車をかけて映画自体をつまらなくしていたのではないかと思う。まあ、知っていたとしてもあのつまらなさはどうかと思うが。

しかし言わせて欲しいのは、私に言わせれば、元ネタを知らない人でも楽しめるものでなければ、それは「パロディ」ではないという話である。

さてさて。前置きが長くなったが、ガンダム漫画の話である。ガンダムに関しても、私と相方さんは世代的には直球でありながら、二人揃ってリアルタイムでアニメを見ていなかったどころか、未だにアニメに関しては全く押さえておらず、最近発刊されている「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」にてようやくその面白さを理解しつつある状態であるのだが、そんな私でも充分に楽しめる、純粋で高度な名パロディ作品である。

作品中、シャア少佐の「ヘルメットが無ければ即死だった」というセリフがバカみたいに出てきて、どうもシャアの名言らしいのだが、アニメ版を全く押さえていない私にとってはただのバカセリフにしか思えず、それでもこれだけ頻出するのだからアニメで出てくる印象的なセリフなのだろうと思い、試しにGoogleにて「ヘルメットが無ければ即死」というキーワードで検索してみると、39件という微妙な件数が見つかったのだったが、検索する方もする方だが、見つかる方も見つかる方であると思う。

2004/08/17

DRINK
サントリーコーヒー SORA(ソラ) 微糖ミルク入り
サントリー

「ただ薄いだけ」という話もあるが、とにかく、こういうのをニューヨークスタイルのコーヒーと言うそうである。好き嫌いが大きく別れるのではないかと思うのだが、個人的には、好きな部類である。コーヒーの苦みがしっかりあって、ミルクのまろやかさがしっかりあって、それでいて、今までになかった、何とも言えない後味。この後味が凄い。飲んだ後に必要以上に拡がる覚醒感が、ちっとも知らないが何となくクスリっぽくて、きっと、ちょっとやばめなものでも入ってるんではないか、そういう意味でもニューヨークスタイルなのではないのかとやや疑っている私であるが、まあ、ボトルの可愛さが、その辺の怪しさを見事に打ち消していて、さすがは、当委員会においてはボトルパッケージの評価がすこぶる高い、サントリーなのである。結構好き。というか、常習性があるのよなあ、これ。

2003/09/17

STAGE
熊沢パンキース/ウーマンリブ(作・演出 宮藤官九郎)
近鉄小劇場 2003/08/24 14:00-

長い潜伏期間を経て、発症すると即、死に至るという謎のウィルス性伝染病・パーキンス病に犯された、田舎町・熊沢で草野球チームの監督を務めるタキ。彼を取り巻く男たちは、人里離れた田舎町であることもあり、何とも言えずドロドロとした閉鎖的な人間関係を形成していた。タキを追ってやってきたパーキンス病研究者で元高校球児のイガラシは、それを目の当たりにして動揺するが、パーキンス病がこれ以上拡がらないように監視、調査をすすめるべく熊沢に滞在するうちにみんなと打ち解け、草野球チームに勧誘され、マウンドに立つことに。その間にも、地味に、そして確実にパーキンス病は拡がりを見せ始め・・・

何とも言えないドロドロした人間模様を軽く笑い飛ばして描く、その笑い飛ばしっぷりがもの凄い。もう、隙あらば笑いの要素が入り込んできていて、喜んでケタケタ笑っているうちに物語はどんどん悲劇的な展開へと進んでいく、そのギャップが溜まらないなあと思う。個人的には、ハッピーエンドでも何でもないのだが、ラストシーンに感動。感動ってのとは違うな。ジーンときたというか、何というか、「良いもの見た」って感じが一番近いかな。とにかく、面白かった。

これ、一応「木更津キャッツアイ」の元となった作品の再演というふれこみではあるのだが、実際「木更津〜」のベースとなってるのは「草野球チームが出てくる」というのと「主人公がもうすぐ死ぬかもしれない」っていうことだけであって、第一、主人公の松尾スズキ氏は体の動きがおかしなおっさんだし、格好いいオトコなんて田辺誠一氏くらいしか出てこないし、ストーリー的には「木更津〜」と比べものにならないくらいに毒々しい話であるのだが、「木更津〜」を見てこれを見に来たっぽい感じのお母さんと娘みたいな人たちってのは、一体どういう感想を持つものなのだろうか。

2003/08/31

DVD
働くおっさん人形/松本人志
吉本興業/松企画 YRBN-13030

関東地方で日曜早朝に放送されていた10分番組が、視聴者からの強い要望により奇跡的にDVD化されたという作品。毎月一人の、ごく普通(かどうかは疑問があるが)のおっさんを松本人志が面接する様子を、そのおっさんの様々な映像を交えて放送するという、「日曜の朝から何を好き好んでおっさんばっかり見せられるのか」とか考え出すと可笑しくて仕方がない番組である。

松本人志本人や、構成作家・高須光聖が「これは、おっさんを丸裸にするAVだ」というような発言をしているのだが、それを受けてパッケージを見事にAV風にしてあって、可笑しい。「もぎたておっさん鮮烈デビュー」って言われてもなあ。

しかしまあ、出てくるおっさん出てくるおっさん、みんながみんな、かなりのうさんくささである。一応この番組を始めるに当たっておっさんの面接をしたらしいのだが、よくもまあ、こんなに、うだつの上がらないおっさんばかり選んだものだと感心するぐらい、その選球眼は見事である。個人的には、全てのことをあやふやにしか話さず嘘ばっかりつく、しかもそれが確実にバレる1月のおっさん・福田がツボ。良いキャラクターであるが、決して友達とか、会社の上司とかには居て欲しくないおっさんである。

それから、何より必見なのは、最後に行われたおっさん5人勢揃いのスペシャルである。あんまり書くとネタばれになるのだが、これだけは書かせて欲しい。「白目剥き対決」と「カラオケ&ダンスパーティ」、最高。

見ると、その面白さを人に伝えたくて仕方がなくなる作品である。

2003/08/30

COMIC
武侠さるかに合戦 天の巻/吉田戦車
エンターブレイン ISBN4-7577-1374-6

全体を通して「え? さるかに合戦って、こんなのだっけ?」という感想を持たざるを得ないという、これはかなりの秀作である。個人的に、読み終わった後にここまで「何じゃこりゃぁ」感の沸き立つ作品は初めてで、衝撃的ですらある。

一応ストーリーは、持っていたおにぎりを猿に柿の種と交換させられたカニが、それでも必死に育てた柿を猿に食べられ、挙句、渋柿をぶつけられて殺されてしまい、力二のコドモたちが栗やハチなどの仲間を連れて仇討ちをしに行くという、みんなが知っている「さるかに合戦」そのままのストーリーではあるのだが、栗がムキムキのマッチョだったり、猿一族に親分がいて、その息子が親父の権力に甘えてバカでわがままでイヤミだったり、その猿の用心棒が針と棒だったり、その針の弟子が妙にセクシーで理由ありなハチだったりしながら、みんな猿側につくかカニ側につくかみたいなところで右往左往しているという世界観がどこをどう転がしても吉田戦車で、なんとも言えずバカだなあと思う。

どこがどうとか、誰がどうとかいうことではなく、何とも言えない世界観がただただ可笑しくてたまらない作品。

2003/04/08

COMIC
自殺サークル/古屋兎丸
ワンツーマガジン社 ISBN4-901579-09-6

凄いタイトルだ。一歩間違えば鬼畜系のタイトルであるが、実際の所、中身はそんなにエグいシーンもなく、落ち着いている。

2001年5月31日午後4時頃、新宿駅のホーム。手を繋いだ女子高生54人が、掛け声とともに電車に飛び込み、集団自殺を行った。この作品は、その中でたった一人奇跡的に生き残ったことによって周りの目が変わり始めた少女・小夜と、小夜の幼なじみ・京子とのやりとりを中心に、女子高生の集団心理などを描いた作品である。

映画版「自殺サークル」(監督・園子温)の漫画版というわけではなく、そのタイトルと、女子高生が集団でホームに飛び降りるという映画版の象徴的なオープニングから、古屋氏が独自の「自殺サークル」を描き上げたという作品。どうも色々見ていると、映画版よりもこっちの方が数段評判良さ気であるのだが、読んでみると、確かにこの作品は素晴らしいと思う私である。女子高生、及び匿名性の高いインターネットが持つある種宗教がかった集団心理が上手く描かれていて、最後までもの凄い緊張感である。古屋兎丸さん、見るたびにどんどん凄い漫画家になっていくなあ。格好いい。

2002/03/17


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