今日は私の誕生日である。それを知ってか知らずか、相方さんの腹がむくむくと大きく膨らんできたのだった。それはもう、まるで風船のようである。しかも、やはり肥満な感じの丸さとは明らかに異なる丸さである。なんか、まん丸。触ると、腹の皮がパツンパツンで楽しい。

子だくさんで安産な犬にあやかって、戌の日に、神社でもらった、というか買った腹帯を付けてみる。昔の人はこれを付けて楽になったりお腹が暖まったりしたのだそうだが、実は最近の医学は腹帯というやつには否定的であるらしいので、まあ縁起物みたいなものだと思うことにする。

それはそうと、最近、なんとなく相方さんの体がミルクくさい気がするのは気のせいだろうか。本人にそのことを指摘すると「さっき食べたソバめしの匂いだ」と言い張られるのだが、それはいくらなんでも言い張りすぎである。一体どんな食べ方すれば、ソバめしを食べてミルクの匂いをプンプン漂わせられるのだろうか。

やはり、お腹の中に自分以外の生き物がいるというのは疲れるらしい。一緒に歩いていると、歩く速度が極端に遅くなったりして、目に見えて疲れてくるのがちょっと面白かったり。まあ、妊婦本人はかなり必死なのだが。

かなり成長著しいモテ爺は、測定の結果、９センチにもなっていた。ちょっとした昆虫並みの大きさである。

検診時、エコーの映像を見ながら医者と話をしていたのだそうだが、途中医者が、「寝てますねえ。ちょっと起こしてみましょう」とか言いながら相方さんのお腹をうりうりと刺激してやると、モテ子がちょっとピクピクして、ウゴウゴっと動き出したのだそうだ。生きているのだなあ、９センチ。エコーの写真でも、顔、尻、手足、しっぽなどがわかるようになってきて、なんだか面白いことになってきている。