June 01-10,2004

2004年6月
「役職日和」
2004/06/10 (Thu)

先日、社内で別の人が使っているパソコンで作業をする機会があったのだったが、その机の上に一枚の名刺が置かれており、何気なく見るとはなしに見てみると、役職の所に太字でこう書かれていたのだった。

「係長心得」

「課長バカ一代」という漫画がある。現在、週刊少年マガジンで連載中の「魁!! クロマティ高校」という、劇画調のキャラたちが下らない話をぐだぐだと延々続けるバカ漫画の作者・野中英次が以前に青年誌で描いていた、テイストは「クロマティ高校」と全く同じで、ただまあ舞台が会社か高校かぐらいの違いしかないにも関わらず「クロマティ高校」ほどには話題にならなかった作品である。

その第一話にて主人公・八神和彦は辞令を受け、「係長」から「課長補佐代理心得」という役職に、本当に昇進なのかよくわからないのだが一応昇進を果たし、でまあ「みんな課長って呼んでくれないかなあ」とか、「課長補佐代理心得になったからには、課長っぽい椅子に座りたいなあ」などと、いちいちどうでもいいことをグダグダ考えるという話があった。それを読んだ当初、まさか世の中に「心得」などという役職が実在するとは、つゆほどにも思っていなかったためにのっけから爆笑したのだったが、なるほど、「ほにゃらら心得」という切ない役職は、現実に存在しているらしい。

しかしまあ、何なんだろうか、「心得」ってのは。「補佐」だったら補佐的な役職なのだろうというのはわかるし、「代理」だったら、まあ何かあれば代理で実務をこなすのだろうというのも想像に難くないのであるが、「心得」と言われても、今ひとつピンと来ないと思うのは私だけだろうか。例えば「カレーのジャガイモは、辛さを和らげる為に入っていることを心得よ」というのなら話はわかるし、激辛カレーを食べてもじゃがいものことを思い出してほっと安心できたりもするのであるが、いかんせん「係長を心得よ」と言われても、何をどうしていいやらさっぱりである。

そもそも「心得る」ということ自体が、何やら曖昧である。そう思い、試しに辞書で調べてみた。

(1)ある物事について、こうであると理解する。わかる。
(2)事情を十分知った上で引き受ける。承知する。
(3)すっかり身についている。心得がある。
(4)気をつける。用心する。
三省堂「大辞林 第二版」より

例えば「係長心得」という役職について考えてみれば、(1)の意味を採用すれば「係長について理解している役職」ということになる。何となくそれっぽいが、理解しているからって、だからどうしたという気もしないではない。

(2)の意味を採用すれば「係長の事情を知った上で引き受ける役職」ということになり、それは何となく意味深で、裏がありそうな話である。きっと女がらみである。

では、(3)だとすればどうだろう。この場合、「係長心得」は「係長がすっかり身についている役職」ということになり、そうなってくると、それはただの「係長」と同じなのではないのだろうか。敢えて「心得」を付ける意味がわからない。

結局の所はよくわからないのだが、唯一わかるのは、おそらく(4)の意味ではないだろうということである。仮に(4)を採用すれば、それは「係長に用心する役職」となり、よっぽど係長が余計なこと、例えばひざカックンばかりしてくるとか、脇腹をくすぐりにくるとか、鼻くそ丸めて飛ばしてくるとか、そういったケースにしか採用できない役職になってしまうのであり、それはそれで、どうにも困った役職になってしまうのである。というか、できればその、余計なことをする係長の方になりたい私である。


2004年6月
「ジャム日和」
2004/06/06 (Sun)

コドモが最近、ようやく「アンパンマン」と上手く発音できるようになり、本人もそれが殊の外嬉しいらしく、暇さえあれば「アンパンマン、アンパンマン」とうるさくなってきたのだった。それでも、アンパンマンの絵を見て「あ、アンパンマン!」と言う分にはまだ良いのだが、これがそうとも限らないのである。何だか基準がはっきりしないのだが、コドモが何かしらアンパンマンらしさを感じたものについては、とりあえず「アンパンマン」と言っておきたい気分であるらしい。ニュースで流れる故レーガン元大統領の映像を見て「あ、アンパンマン」と言ったのは、さすがにどうかと思うものの、そう言われて見れば確かに頬の赤さ加減はアンパンマンらしさを感じさせないこともなく、それはまた、新たな発見である。

あんまりアンパンマンアンパンマンとうるさいので、じゃあ他のキャラはどうなのよと食パンマンだのカレーパンマンだのを指さし、「これは何?」などと聞いてみるのだが、ニヤニヤしたまま一向に答える気配がない。どうやらアンパンマン以外は上手く発音できないらしく、挙げ句、どれを聞いても「アンパンマン」としか言わなくなってしまったのだった。いい加減なオトコである。

で、じゃあこれはどうだとジャムおじさんを指さすと、コドモ、しばらく考えた挙げ句、ささやくような声で教えてくれた。

「おっさん」

そりゃまあ、おっさんだと言われればおっさんである。



back
top

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送