May 21-31,2004

2004年5月
「直接日和」
2004/05/23 (Sun)

本日は相方さんが友人と出掛けていったため、午後からはコドモと二人で過ごすことになったのだった。昼寝を終えたコドモと近所へ散歩に出掛けようかと表へ出ると、コドモが「わしは自転車に乗りたいのだ」とばかりに家の前に停めてある自転車のカゴを指さし「あっちあっち」とうるさいので自転車に乗せてやることにしたのだったが、自転車に乗った瞬間、それならいっそソフマップまで中古のパソコン機材を売りさばきに行こうと思い立ってしまったのだった。そのまま、売りさばきたい中古機材を積み込み、近所に買い物に行く想定のもと準備された手軽な荷物のままプラッツ近鉄のソフマップへと向かう。

ソフマップの買い取り受付カウンターで順番を待つ間、割とご機嫌なコドモは、かなりいい加減で適当な挙動を見せつつ行ったり来たりウロウロしていたのだったが、ふとした拍子に抱きかかえてみると、ほのかにうんこの香りが漂うことに気付き、我に返った私である。

買い取りカウンターで若い兄ちゃんに「査定時間が30分ほどかかります」と宣言されたのだったが、それを聞いたか聞かないかぐらいのタイミングで、早々にコドモを近くのトイレへ連れて行き、慌てておむつを脱がせる。と同時に、近所に買い物に行く体で持ってきたお手軽な荷物の中身に愕然とした。

紙おむつが一枚もないのである。

数ヶ月前、相方さんとコドモの3人で何処かへ出掛けた際にも同様のケースがあり、その時は、紙おむつ内のうんちのみを丁重に取り除き、若干のうんちがついた紙おむつを再度履かせて事なきを得たのだった。「よし、今回もそれで行こう」 そう思い、とりあえずは紙おむつを脱がせ、うんちを排除する。「さあ、おむつを履かせよう」と、やれ履けそれ履けやってみたものの、数ヶ月前と比べて成長著しいコドモは、必死の抵抗を見せる。そりゃまあ、気持ちはわかる。例えば私が会社で部長に「ちょっとちみ、この、うんち付きパンツを履きたまえ」とでも言われれば、そんな会社はこっちから願い下げであると思う。だから気持ちはわかるし、その成長ぶりには頼もしさすら感じるのであるが、いかんせん、今の私にはその頼もしさは不要なのだった。そんな頼もしさより、紙おむつ1枚の方が有り難い。

うんち付きおむつを履くことに激しい嫌悪感を覚えたコドモに対し、私は、一つの賭けをすることにした。つまり、おむつを履かせずに直接ズボンを履かせたのである。いまだトイレトレーニングも始めていないどころかトイレの概念すら理解しているかどうか定かではないコドモと、デパートで、おむつなしで過ごす30分。想像するだけで嫌な汗をかかざるを得ないシチュエーションである。

一気に訪れた戒厳令下、コドモをベビーカーに乗せ、店内をウロウロしつつ紙おむつを探すも、まるで決まっていたかのように見つからない。結局、コドモのズボンが濡れはしまいかとヒヤヒヤしながら、かといってじっとしてもいられず店内をただただ彷徨うこと30分。ベビーカーを押す人ができるだけ自然な雰囲気で出せる最高速度でもってソフマップ買い取りカウンターへ戻り、お金を受け取り、何事もなかったかのようにそそくさと、今までの人生で掻いたことのない種類の汗を流しながら店を後にしたのだった。帰りの自転車では、カゴでお漏らしされた所で痛くもかゆくもないので余裕をかましつつ、それでも結局何事もなく、お漏らししないままに無事、帰宅。

奇跡である。奇跡。

喜ぶ私と、紙おむつを履かせた後のコドモと二人、「やったーやったー」と部屋を小躍りしてまわる。コドモも、意味はわかっていないに違いないが、嬉しそうに走り回っていたのだった。

こうしてコドモは「やったーやったーと小躍りしてまわる」ということを覚えていくのだった。なるほど、どうでもいいことばかりをどんどん覚えていくわけである。



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